感染症に関わる臨床検査、ことに微生物検査データの迅速な報告とチェック体制は感染制御活動に不可欠であり、臨床検査技師に課せられた責務のひとつです。
しかし、我が国では感染制御活動に携わる検査技師が必ずしも微生物検査担当とは限らず、多忙な日常業務と兼務しての活動を余儀なくされていることが少なくありません。当部会においても日常検査で微生物検査に携わっていない技師が全体の約55%を占めており、加算1施設の1/4、加算2施設の3/4が微生物検査を外部委託しているという現状があります。(現状調査結果より)
そこで、臨床検査技師部会では検査体制の現状把握と情報共有を目的として主要3分野(多剤耐性菌、抗酸菌「結核菌」、迅速抗原検査等)の検査体制の現状調査をアンケート方式で実施し、集計結果を各施設へフィードバックしています。
これをもとに自施設における課題や問題点を検査技師が認識し、改善のための方策などをペアリング施設と協議する機会やICTの一員として外部委託先への改善要望などを行う際の情報のひとつとして提供しています。
今後は外部委託施設や加算2施設へのアドバイス等を中心に目まぐるしく変わる感染症検査情報を発信し、より良い検査体制の構築と他の専門部会と連携して地域の感染制御活動に一翼を担えるよう活動していきたいと考えております。
臨床検査技師部会 部会長 |
川崎市立多摩病院 臨床検査部 |
宮本豊一 |